第31回日本脳腫瘍の外科学会
会長 阿部 竜也
(佐賀大学医学部脳神経外科 教授)
このたび、2026年10月2 - 3日(金 - 土)に佐賀市文化会館におきまして、第31回日本脳腫瘍の外科学会を開催させて頂きます。脳腫瘍手術において歴史ある本会を担当させて頂きますこと、教室としても大変光栄に存じます。
佐賀での開催は2005年佐賀大学名誉教授である田渕和雄会長の第10回以来21年ぶりとなり、本会開催に向けてご尽力を賜りました諸先生、関係諸氏に厚くお礼申し上げます。
さて、今回のテーマは「総戦力でのぞむー脳腫瘍治療の最前線―」とさせて頂きました。その理由として、脳腫瘍の治療においては、外科治療が主たるところではありますが、術前の画像診断・シミュレーション、リキッドバイオプシーを含む術前・術中の遺伝子診断、放射線治療や化学療法など、さまざまな周辺機器や補助療法などを駆使して、より安全で確実な治療が求められおり、各施設・各人が総戦力をもって治療にのぞむ必要があります。「のぞむ」といたしましたのは、手術にあたり「臨む」場合もありますし、術者によっては「挑む」場合もあることから、あえて平仮名で記載させていただきました。
ポスターや表紙には「唐津くんち」の写真を使わせていただきました。唐津くんちでの御神輿の渡御は、江戸時代の寛文年間(1661~1673)頃に始まったと伝えられており、国指定重要無形民俗文化財に指定され、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。曳山は14台が現存しており、その全てを掲載させていただくことで総力戦をイメージしました。
海外よりHarvey W. Cushing Professor of Neurosurgery, Harvard Medical SchoolのE. Antonio Chiocca先生と、 McGovern Medical School at UTHealth HoustonのJacques J. Morcos先生をお迎えし、悪性腫瘍と良性腫瘍の最新治療についてご講演いただきます。また、韓国脳腫瘍の外科学会(KBTS)と日本との協力に関して相互の学会に演者を相互派遣することになっており、今回より韓国からの演者をお迎えする予定です。
本学会で行われる最新の研究成果や治療法についての報告や講演、また専門家による討論は、脳腫瘍外科医にとって有益となるばかりでなく、この機会を通じて多様な視点や経験を持った参加者との交流を深め、脳腫瘍治療の分野をより一層発展させられるものと確信しております。 第31回日本脳腫瘍の外科学会へのご参加・ご協力をお願い申し上げます。
最後に、佐賀は北に広がる玄界灘・南の有明海と海に挟まれており、山も多く自然に恵まれた地形の小さな県ですが、遺跡、歴史ある温泉、世界も認める陶磁器など、見どころがたくさんあります。加えて新鮮な海の幸、佐賀牛などのブランド肉、米どころならではの銘酒が数々あり、味わっていただけますと幸いです。
© 2025 The 31st Annual Meeting of the Japanese Congress for Brain Tumor Surgery